お仕事コラム

社員登用制度とは?メリット・デメリットや登用されやすい人の特徴をご紹介

2024年1月31日

アルバイトやパート、契約社員として働きながら正社員を目指す人は少なくありません。そのような人々にとって社員登用制度は大きな希望となるものです。

そこで、本記事では社員登用制度の概要、実情、メリット・デメリット、登用されやすい人の特徴、よくある質問、転職で正社員を目指す方法などについて解説します。

社員登用制度とは

そもそも社員登用制度とはどのような制度なのでしょうか。また、制度を利用するためには要件などがあるのでしょうか。まずは社員登用制度の概要などについて確認していきましょう。

社員登用制度の概要

社員登用制度とは、アルバイトやパート、契約社員など非正規雇用で働いている人材の雇用形態を正社員に切り替える制度です。その会社が自分に合っており、正社員として働きたいと思った際にメリットが出てきます。また、企業にとっても既に自社の業務に慣れている人材を正社員として採用できるというメリットがあります。

ただし、会社によってはアルバイト・パートから契約社員になることを社員登用制度として登録していることもあります。そのため、正社員になりたい場合にはその会社の社員登用制度がどのようなものなのかを確認することが必須です。

すべての会社が設けているのか

社員登用制度はすべての会社が設けているわけではありません。社員登用制度を導入していない企業の理由としては以下のようなものが挙げられます。

  • 正社員の雇用コストを抑えたい
  • 正社員の人数を増やしたくない
  • 非正規雇用で働いている人材のスキルや能力が十分ではない

さらに、社員登用制度を導入している企業でも対象者や基準は企業によって異なります。一般的には一定の勤続年数や業務スキル、人物評価などの基準を満たした人材が対象となりますが、その会社ごとで異なるためしっかりと調べておくことが重要です。

契約社員と正社員の違い

契約社員と正社員は、雇用期間と待遇の2つに違いがあります。まず、雇用期間に関しては、契約社員は雇用期間が決まっている有期雇用で最長3年(高度な専門知識が必要な職種や定年後に継続雇用される場合は最長5年)です。一方、正社員は雇用期間に定めのない無期雇用となっています。

次に、契約社員は正社員と比べると給与や賞与、福利厚生などの待遇が劣ることが多い傾向にあります。また、契約期間満了時に雇い止めや更新拒否によって、本人の望みに関わらず退職となるリスクがあるものです。近年、契約社員の待遇も改善する動きが見られますが、会社によってはまだ待遇に大きな差がある場合があります。

これらのような事から正社員になりたいと考える方が多いです。そして、社員登用制度を設けている会社であれば、いきなり正社員になることは難しくとも制度を利用することで正社員になれる可能性が出てくるのです。

しかし、契約社員と正社員のどちらが良いかは個人の価値観やライフスタイルによって異なります。安定した雇用や収入を求めるのであれば正社員を目指すのがよいでしょう。一方、自分の働き方を自分で選択したいのであれば契約社員が適していると言えます。

正社員登用制度の基準

正社員登用制度の基準は会社によって異なります。しかし、多くの場合は試験が設けられています。試験内容は企業のオリジナル問題やSPIなど多種多様であるため、正社員の方などに聞いておくことがおすすめです。また、面接、書類選考も設けられていることが多いです。それぞれの試験では下記のような事柄が見られています。

  • 書類選考:なぜ正社員になりたいのか、今後どのようにしていきたいのかなどを記述するエントリーシート
  • 筆記試験・適性検査:計算問題や小論文などから論理的思考力、人間性を図る試験
  • 面接:なぜ社員になりたいのか、今後のプラン、自己PRなど書類選考と同様の事柄が聞かれる

このように、新卒での就活と似たような形の試験となっています。ただし、社員登用制度を利用する場合は、既に会社で働いているため、現時点でどのような部分に貢献しているのかなどを問われる可能性が高いです。つまり、働いている間の振り返りが非常に重要になります。

社員登用制度の実情

厚生労働省が公表している「労働経済動向調査(令和4年2月)の概況」によると、社員登用制度の有無ないし実際の利用実績は下記のようになっています。

制度:有 実績:有制度:有 実績:無制度:無 実績:有制度:無 実績:無
37%38%7%16%

制度も実績もある会社は37%となっています。また、制度がないにも関わらず登用実績がある会社も7%あります。ですので、制度がないから諦めるのではなく、社員の方などに問い合わせてみることがおすすめです。

一方、制度も実績もない会社は16%となっています。割合としては低いため、現在勤めている会社に制度もしくは実績がある可能性はあります。

社員登用制度が多い業界・業種

産業別では下記のような結果になっています。多少、数値は前後していますが、おおよそ40%前後は制度の利用実績があります。

産業制度:有 実績:有制度:有 実績:無制度:無
建設業26%36%36%
製造業39%38%23%
情報通信業30%33%36%
運輸・郵便業43%34%21%
卸売・小売業36%48%14%
金融・保険業45%38%17%
不動産・物品賃貸業37%34%26%
学術研究・専門・技術サービス業34%34%31%
宿泊・飲食サービス業37%41%6%
生活関連サービス・娯楽業38%43%17%
医療・福祉業43%37%18%
サービス業・その他36%38%24%

実績がもっとも高いのは金融・保険業、もっとも低いのは小売業です。ただし、金融・保険業はお金を扱う業界であるため、登用試験が厳しい傾向にあります。このように、単に数値で決めるだけでなくその業界の傾向や業務内容についても確認しておきましょう。

正社員になるメリット・デメリット

メリット・デメリット

正社員になると、メリットとデメリットの両方が出てくるものです。ここで正社員になることによるメリットとデメリットの両方を確認し、本当に制度を利用して正社員になるべきかどうかをしっかりと考えていきましょう。

メリット①収入が安定する

正社員は雇用期間に定めのない無期雇用であるため、よほどのことがない限り解雇されることはありません。こちらは労働契約法第16条といった法律で決められていることから来ています。また、同時に減給もなかなかおこなわれにくいものです。そのため、正社員は収入が安定しやすいといったメリットがあります。

一方、契約社員やアルバイト・パートの場合は雇用期間が決まっているため、契約期間満了時に更新が拒否されることによって、本人の望みに関わらず退職となるリスクがあります。また、契約社員は基本給が低い傾向にあるため、収入が安定しにくいというデメリットがあります。

扶養者やお子さんがいる場合は、収入の安定性が家庭に直結します。自分の状況を鑑みて、安定性がどのぐらい重要なのかを考えておきましょう。

メリット②さらなるキャリアアップが見込める

正社員は企業の一員として会社に貢献していくことが求められます。そして、貢献していることが認められれば昇給や役職の昇格などのキャリアアップが起こる可能性が高いです。

一方、契約社員やアルバイト・パートの場合は正社員に比べて昇給や役職の昇格などのキャリアアップの機会が限られている傾向にあります。昇給したとしても年間に数百円といった場合が多いでしょう。このように、会社に貢献したとしてもキャリアアップの道が用意されていない可能性があるのです。

正社員になれば仕事のスキルや経験を積み、キャリアアップを目指すことができます。自分の考えている理想のキャリアと照らし合わせて考えることが重要です。

メリット③福利厚生が充実する

福利厚生とは企業が従業員に対して提供する、金銭的・非金銭的な利益の総称です。そして、正社員は企業からさまざまな福利厚生を受けることができます。具体的には、社会保険(健康保険、厚生年金保険、雇用保険)や労働保険(労災保険、雇用保険)、退職金制度、住宅手当、家族手当、育児・介護休業制度、産休・育休制度などがあります。

一方、契約社員やアルバイト・パートの場合は福利厚生が充実していない傾向にあります。上記のような福利厚生が用意されていても、契約社員・パート・アルバイトには適用できないとしている場合も少なくありません。

会社の採用情報には福利厚生が掲載されていることが多いですが、その福利厚生はどのような人に適用されるのかをしっかりと把握しておかなければなりません。また、その制度は実際に使われているのかなども事前に知ることができれば良いでしょう。

メリット④社会的信用度が高まる

正社員は社会的信用度が高く扱われることが多いです。一方、契約社員やアルバイト・パートの場合は、正社員に比べて社会的信用度が低い傾向にあります。

社会的信用度が高いと住宅ローンの審査が通りやすくなったり、クレジットカードの限度額が上がったりするなどのメリットがあります。将来的に審査を受ける予定がある方は正社員がおすすめです。

デメリット①労働時間が長くなる

正社員は企業の一員として会社に貢献していくことが求められます。そのため、残業や休日出勤の可能性が増えることが多いです。一方、契約社員やアルバイト・パートは残業が正社員に比べて少ない傾向にあります。特に、下記の業界は平均残業時間が多いとされています。

  • 空運
  • 繊維製品
  • ガラス/土石製品
  • 石油/石炭製品
  • リース/消費者金融/クレジットカード
  • 医薬品
  • 化学
  • 水産/農林
  • 銀行
  • 小売

残業や休日出勤が多いと仕事とプライベートの両立が難しくなります。また、体力的にも精神的にも負担が大きくなってしまうため注意が必要です。ワークライフバランスはとりやすくなっていますが、自分にとっての最適なバランスについては事前に把握しておきましょう。

デメリット②転勤が起こる可能性がある

正社員になると企業の成長や発展に貢献していくことが求められるため、転勤や異動の可能性があることを理解しておく必要があります。転勤や異動をすると家族や友人との別れ、住居の変更などさまざまな負担が伴うため、慎重に検討することが大切です。

とくに、全国に拠点を持っている大企業は転勤が起こり得ます。さらに、下記のような職種は転勤が多いとされています。

  • 金融系(銀行/保険など)
  • 商社
  • メーカー
  • ゼネコン

また、地域性の強いビジネスをおこなっている業界は転勤が比較的多くなりやすいです。転勤を避けたいのであれば転勤の有無や拒否は可能なのかなどを既に正社員となっている方に聞いておきましょう。

デメリット③副業が禁止されている場合がある

正社員は企業の就業規則で副業が禁止されている場合があります。

契約社員やアルバイト・パートでも、副業が禁止されている場合もありますが、正社員と比べると許可されている場合が多いです。近年、副業が解禁されている動きがありますが、副業禁止となっている会社はまだまだあります。副業を考えている場合は就業規則などから副業についてご確認ください。

また、副業可能であっても業務内容に規制がある場合があるため、そちらについても確認が必要です。とくに、同業種での副業は禁止されている場合があります。

デメリット④仕事の責任が重くなる

正社員は企業の一員として仕事の責任が重くなるというデメリットがあります。仕事の1つ1つが会社の成績に直結するといった意識を深く持たなければなりません。もちろん、契約社員やアルバイト・パートでも仕事に責任はありますが、それでも正社員と比べると責任が軽い傾向にあります。

仕事のミスやトラブルが、会社や顧客に大きな損害を与える可能性があることをしっかりと認識し、慎重に取り組むことが大切です。

正社員に登用されやすい人の特徴

社員登用制度があればだれでも登用されるわけではありません。社員登用される人にはある特徴があります。ここで共通の特徴について確認し、日ごろの業務から意識していきましょう。

与えられた業務に対して真摯に取り組んでいる

まず、社員に登用されるためには業務に対して真摯に取り組んでいることが大切です。業務をきちんとこなすことができ、責任感を持って仕事に取り組んでいる人材は企業にとっても信頼感が高まります。具体的には以下のような点に注意しましょう。

  • 業務の指示をしっかりと理解し、期限までに確実にこなす
  • ミスをしたときはすぐに報告し、再発防止策を講じる
  • 業務に関連する知識やスキルを積極的に身につける

また、業務以外の仕事でも積極的に取り組む姿勢を見せましょう。例えば、清掃や整理整頓など自分の担当以外の仕事も進んで引き受けることで周囲からの評価が高まります。

正社員と積極的にコミュニケーションを取っている

正社員と積極的にコミュニケーションを取ることで、自分の仕事ぶりや人柄をアピールすることができます。また、意識次第で正社員から仕事のノウハウやスキルを学ぶ機会にすることも可能です。

一方、挨拶や会釈をせず、雑な言葉遣いで話していると仕事ができていても正社員として一緒に働きたいとは思ってくれません。これらの点も意識して業務をこなしていきましょう。

さらに、仕事の質問や相談を積極的に行うことも大切です。自分から相談することで意欲を伝えることができます。また、社内行事や飲み会などに参加して正社員と交流する機会を増やすことも効果的です。

正社員になりたい意思を伝えている

正社員になりたい意思をしっかりと伝えることで、企業側に意欲を伝えることができます。また、上司や人事担当者に正社員になりたいことを伝えるだけでなく、正社員になるためにどのような努力をしているかを伝えることも効果的でしょう。さらに、正社員になった際にはどのように貢献していきたいかを具体的に伝えることで、企業への貢献意欲をアピールすることができます。

こちらを叶える為には、前述のコミュニケーションを積極的に取る事も重要です。積極的なコミュニケーションと意欲を伝えることはセットで意識していきましょう。

後輩の教育をおこなっている

後輩の教育をおこなうことで、仕事のスキルや知識を身につけ、リーダーシップをアピールすることができます。後輩の質問や相談に丁寧に答え、実践でできるようにサポートしていきましょう。後輩への教育は会社全体を考えていることが伝わり、登用される可能性が高まります。

また、後輩と協力して目標を達成する経験を積むことでリーダーシップを身につけることができます。リーダーシップがあると入社後も活躍しそうだと考えられ、登用される可能性が高まります。

社員登用制度でよくある質問

社員登用制度では下記のような質問がよくされます。同様の疑問がある場合はぜひご確認ください。

社員登用制度がある会社であれば必ず社員になれるのか

回答:必ずしも社員になれるわけではありません。

社員登用制度は、あくまでも企業側が正社員として採用するかどうかを判断する制度です。そのため、社員登用制度がある会社であっても以下のような理由で社員になれない可能性があります。

  • 業務上のスキルや経験が不足している
  • 会社に対する貢献度が低い
  • 企業風土や社風に合わないと判断された

また、制度は設けている一方で実質的には採用していない場合もあります。社員登用制度を利用する際には実態を知っておくことが重要です。

社員登用制度がある場合、必ず正社員にいずれならないといけないのか

回答:必ず正社員にならなくても構いません。

社員登用制度は正社員登用を前提とした制度ですが、あくまでも任意の制度です。そのため、社員登用制度を利用して正社員になるか非正規雇用で続けるかは本人の自由です。社員から勧められた場合でも、断る権利があることは認識しておきましょう。

年齢制限はあるのか

回答:会社によって異なります。

社員登用制度の基準は会社が設定することができます。そのため、年齢制限は会社によって異なるのです。また、年齢制限が設けられていないこともあります。ただし、一般的には30歳未満、35歳未満など一定の年齢制限を設けている会社が多いようです。

勤めている会社に社員登用制度があるかが分からない

回答:人事担当者に確認すると回答がもらえます。

勤めている会社に社員登用制度があるかどうかは人事担当者に確認するのが確実です。また、就業規則や社内規定を調べるのもよいでしょう。

制度がないと正社員になることはできないのか

回答:制度がなくても正社員になることは可能です。

社員登用制度はあくまでも社員登用の道筋を分かりやすく用意した制度です。そのため、制度がなくても社員登用試験や面接に合格すれば正社員になれます。

ただし、社員登用制度を利用すれば正社員になるための条件の緩和や、内定試験の難易度が下がるなどのメリットがあります。そのため、社員登用制度がある場合は積極的に利用することをおすすめします。

転職で正社員を目指すには

社員登用制度を利用しないで正社員を目指すには、求人応募、リクルートサービス、紹介予定派遣制度があります。それぞれの概要は下記のとおりです。

正社員の求人に応募する

求人応募は最も一般的な方法です。転職サイトや求人雑誌、ハローワークなどを利用して正社員の求人を探し、働きたいと思う会社・職種があれば応募をしていきます。

メリットとしては、自分の希望する条件に合った求人を探しやすい点が挙げられます。デメリットとしては競争率が高くなる点が挙げられます。多くの人が見ている媒体に掲載されているため、同様に働きたいと考える人が多い可能性が高いのです。また、応募書類や面接の準備に時間と労力がかかるといった面もデメリットとして出てきます。

リクルートサービスを利用する

転職エージェントや人材紹介会社などのリクルートサービスを利用する方法です。近年はさまざまなサービスが出ており、それらを利用することで適切なサポートを受けることができます。

こちらの方法のメリットとしては非公開求人を紹介してもらえる点が挙げられます。非公開求人とは一般には公開されていない求人であり、サービスを介することで知ることができます。また、多くのサービスでプロのアドバイザーがサポートしてくれるため、応募書類や面接の準備を効率的に行うことが可能です。

一方、デメリットとしてはリクルートサービスの利用料がかかる場合がある点が挙げられます。ただし、基本無料のサービスも多数あるため、料金をかけたくない場合はそういったサービスを利用することで回避可能です。また、サービスは非常に多くのものがあるため、自分に合っているものを調査・選定する手間がかかることもデメリットになり得ます。

紹介予定派遣制度を利用する

紹介予定派遣とは、派遣社員として就業しながら一定期間の勤務後に正社員登用される制度です。

メリットとしては、派遣社員として働きながら正社員になるためのスキルや経験を積むことができる点が挙げられます。また、派遣社員として採用されるため、応募書類や面接のハードルが低いことが多いです。派遣期間に実際に働くことができるため、企業の雰囲気や社員の様子などを直接知ることができるのも、大きな魅力と言えるでしょう。

しかし、デメリットとして派遣社員として働く期間が決まっている点が出てきます。また、社員登用制度と同様に、社員登用が必ずしも保証されているわけではありません。

社員登用制度について まとめ

社員登用制度は非正規雇用から正社員への登用を可能にする制度です。しかし、必ずしもすべての会社に制度があるわけではありません。また、登用されるためには一定の基準を満たす必要があります。

正社員を目指す人は自分の働いている会社に社員登用制度があるかどうかを確認し、もしあれば、その基準を満たすように努力しましょう。また、転職で正社員を目指すという選択肢もあります。

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