契約社員にはどのようなメリットがある?パートや正社員との違いも解説
2023年11月1日

現在ではさまざまな働き方がありますが、そのなかの1つに「契約社員」があります。では、そもそも契約社員とはどのような雇用契約なのでしょうか。また、自分は契約社員として働くのに向いているのでしょうか。
ここでは契約社員の概要にくわえメリット・デメリット、向いている方を解説します。契約社員といった働き方が気になっている方は、ぜひご確認ください。
契約社員とは?パートや正社員との違いについて

契約社員は、雇用期間の定めがある有期労働契約を結んだ社員のことを指します。有期労働契約の期間は原則として最長3年(専門職など特定の条件がある場合は5年)と決められていますが、一般的には1年間の契約とし、1年間経過した際に更新するか契約終了するかを選ぶことが多くなっています。
契約社員とパートの違い
パートは短時間労働が可能な契約です。契約社員は契約期間に定めはありますが、一日の労働時間で見ると正社員と変わらないことが多くなっています。それに対し、パートは一週間単位などで労働時間の調整がおこなえるといった点が特徴です。
また、パートは給与が時給制であるのに対し、契約社員は月給制である場合が多いです。さらに、パートは賞与が無いことがほとんどですが、契約社員は賞与が設けられている事もあります。ただし、賞与に関しては会社によって異なる部分であるため、各会社の契約内容を確認することが必要です。
最後に、パートと契約社員では職務内容が異なる場合があります。パートは職務内容がお手伝いといった側面が強いですが、契約社員は正社員と変わらないことも少なくありません。このようにパートと契約社員は異なる点がかなり多いです。
契約社員と正社員の違い
まず、契約社員と正社員の違いは雇用期間の定めがあるかないかが大きいです。正社員は基本的には自分から退職・転職しない限り契約が解除になることはありません。しかし、契約社員は前述のとおり1年もしくは3年・5年で契約更新の必要があります。
ただし、契約社員であっても同一企業に通算5年超の勤務をした場合は、無期雇用の契約に変更することができます。こちらは5年ルールと呼ばれますが、5年ルールが適用されても給与水準や昇進については契約社員時と変わらないことがあり、安定雇用以外のメリットがないことも少なくありません。
さらに、福利厚生の有無についても違う可能性があります。多くの企業は正社員と派遣社員どちらにも適用していますが、会社によっては福利厚生は正社員のみとしていることがあるのです。こちらに関しては会社ごとで設定しているため、契約時や面談時には必ず確認するようにしておきましょう。
契約社員のメリット・デメリット

契約社員としての契約はメリットとデメリットの両方があります。ここでメリットとデメリットの両方について確認し、自分は契約社員として働いていくのが望ましいのかどうかを確認していきましょう。
契約社員のメリット
まずはメリットについて確認していきましょう。契約社員として働いていくメリットについては大きく分けると下記の4つがあります。
メリット①希望の条件で働きやすい
契約社員は正社員に比べて人件費が安いため、企業側からすると非常に採用しやすいです。そのため、契約社員は選択肢が多く、希望の職種や業種で働きやすい可能性が高くなっています。
また、契約社員の流動性の高さも希望の条件で働きやすい1つの要因です。正社員での契約ではイメージと違っても退職がなかなかできませんが、契約社員であれば1年で別の会社・職種に就くことができます。
メリット②転勤が命じられる可能性が低い
正社員は基本的に勤務地が限定されないため、いつでも異動や転勤が起こる可能性があります。一方、契約社員は雇用計画に勤務地が明記されていれば転勤がありません。契約社員に関しては働く地域を限定している会社がほとんどであり、勤務地を限定したい方にとっては大きなメリットです。
近年では正社員で地域限定型採用といったものが見られるようになりました。しかし、地域限定型採用は導入している企業の少ないことや、地域を限定しない社員と比べて待遇が悪いなどとデメリットが生じるため、完璧とは言えません。
メリット③仕事とプライベートが両立しやすい
契約社員は正社員と同じ待遇が得られる一方で自分に合わせた働き方がしやすいです。会社によっては自由な働き方ができないこともありますが、それでも正社員と比べると自由である可能性が高くなっています。
また、1年ごとに契約更新を考えることができるため、結婚・出産、勉強したい事柄が出てきた、介護など自分のライフイベントの発生時に一時的に仕事を休むといったこともやりやすいです。
メリット④副業が許可されている場合が多い
契約社員は二重契約をすることができます。つまり、契約社員は副業をすることができるのです。一方、正社員は副業が禁止されている場合があります。近年では正社員の副業を認める会社も増えてきましたが、それでもまだ認めていない会社の方が多いです。
そして、副業が可能ということは年収アップを実現できます。また、別の業務をおこなうことで多種多様なスキルを身に着けられることもメリットです。ただし、副業をすることでどちらかに迷惑がかかる、業務効率が下がるなどが起こる場合は避けておきましょう。
契約社員のデメリット
契約社員にはメリットだけでなくデメリットもあります。メリットについてだけでなくデメリットについても必ず確認しておき、総合的に見て契約社員が向いているかどうかを判断していきましょう。契約社員のデメリットは大きく分けると下記の4つのものがあります。
デメリット①雇用が不安定
契約社員は1年ごとに契約終了となる可能性があるため、雇用が不安定になりがちです。もし、契約終了後に次の仕事が見つからないとその間は無収入となってしまいます。このことから契約満了の時期が近付くと不安になる方も少なくありません。
次の仕事が見つかる保証はありません。とくに、企業数が少ない地域に居住している場合や設けている条件が好条件である場合は見つからない可能性が上がります。雇用の不安定さを許容できるかどうかは契約前にしっかりと考えておかなければなりません。
デメリット②昇給・昇格がなされにくい
契約社員は雇用契約書に記載されている金額が契約満了時まで続くことが一般的です。そして、仮に好成績を上げたとしても変わりません。そのため、業績によって昇給がなされないことに不満を持つ方が多いのです。
また、昇格に対しても同様に契約社員は起こりにくいです。というのも、契約社員は期間に定めがあるため、昇格をしてもすぐにいなくなってしまうかもしれません。これらのことから契約社員は昇給・昇格が起こりにくくなっています。
デメリット③裁量権が少ない
契約社員は昇格がしにくいことから裁量権が少ないことが多いです。会社によっては契約社員を正社員の補佐と考えているため、そもそも雑用のような仕事しか任せてもらえない可能性もあります。
裁量権が多く、チームを引っ張っていくような仕事をしていきたい方は正社員として就職し、そこで昇格していくことが必要です。裁量権のある仕事がおこないたいかどうかは事前に明確にしておきましょう。
デメリット④ローン審査が通りにくい
雇用と収入が不安定である事から契約社員はローン審査が通りにくい傾向にあります。とくに、住宅ローンなどの借り入れは返済能力が重視されるため契約が難しいです。長期間にわたって返済するようなローンを借り入れたい場合は注意しておきましょう。
契約社員が向いている人の特徴
ここまで契約社員の概要やメリット・デメリットについて解説しました。では、契約社員はどのような人に向いている雇用形態なのでしょうか。最後に自分は契約社員に向いているのかどうかを考えていきましょう。
特徴①いろいろな仕事を体験したい人
単一の業務にとどまらず、多岐にわたる仕事に興味を持つ人は契約社員が向いていると言えます。こちらは契約社員の流動性の高さから実現できるものです。
異なるプロジェクトや業務に挑戦することを通じ、幅広いスキルを磨いて自身のキャリアを多彩に構築したい方は契約社員を考えてみましょう。ただし、キャリアプランについては入念に考慮しなければなりません。
特徴②プライベートを重視したい人
契約社員の働き方は柔軟であり、通常の雇用形態よりも働く時間・場所への制約が少ないです。仕事とプライベートの両方をバランスよく重視する人にとって契約社員のポジションは理想的な場合があります。
特徴③副業をしたい人
契約社員は複数の業務を同時進行できる柔軟性があります。これによぅって本業以外に副業を持ちたい人にとって契約社員はキャリアの幅を広げることや収入増加を実現することが可能です。
ただし、すべての契約社員が副業がおこなえるわけではなく、契約によっては不可とされていることもあります。副業が理由で契約社員になるのであれば、雇用契約や面談時に副業の可否については必ず確認するようにしておきましょう。
特徴④責任を負いたくない人
契約社員はプロジェクトごとに限定された期間の雇用契約を結ぶため、長期的な責任を負う必要が少ないです。安定感よりも柔軟性や変動する環境に適応する能力を重視する人にとって契約社員のポジションは好ましい選択になる可能性があります。
まとめ
今回は契約社員について解説しました。契約社員は柔軟な働き方がある一方で雇用の不安定さが出てきます。そして、契約社員が向いているかどうかは個人のキャリアプランによって異なるものです。一度ご自身のキャリアプランについてじっくりと考え、契約社員として働いていくべきかどうか考えていきましょう。